
今回は、爬虫類飼育の関係で飼育しているファンシーラットの飼育方法について解説します。あわせて、飼育に実際に使用している用品類も併せてご紹介いたしますので、初めて飼育する方の参考になると幸いです。
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飼育してわかる魅力
初めにファンシーラットの魅力を解説します。また、以後はファンシーラットをラットとして略させていただきます。
ラットとマウスの違い
ラットとマウスの違いを最初に解説します。私自身最初のうちは違いが判りませんでした。多くの人にわかりやすいものとしては体の大きさが最もわかりやすい違いになります。マウスは5~7cmほどに対し、ラットは20~25cmとラットのほうがはるかに大きいです。
ほかの違いとしてはハツカネズミ属がマウスといわれ、クマネズミ属に属するものがラットといわれます。飼育しないとわからない点としては頭の良さもかなり違いがあり、ラットのほうがかなり賢いです。
飼育時に気になるものとしては匂いかと思いますが、私個人の所感としてはラットのほうが匂いは弱いように感じました。ハツカネズミも飼育していましたが、アンモニア臭がかなりきつかったので、繁殖せず飼育している蛇たちの餌としてすべて務めを果たしてもらいました。ラットのほうは飼育数がケージの限界を超えていなければそこまで気にならず、愛嬌もあり、いまも飼育しています。
一般的な違いとしては上記がほとんどになります。細かく言うと色々ありそうなのですが、そこまで飼育上不要と思いますので割愛します。
ラットの賢さ
ラットの賢さは一般的に犬と同じ程度ではないかといわれています。理由として、芸を覚える、迷路を解いて脱出できるなどがあり、名前で呼ぶと来たりする様子も海外の動画では確認できます。私が飼育している状況でも近くに行くと集まってきたり、手をなめてきたりと興奮状態になります。マウスの場合はそういったこともなく、手を入れると確認で甘噛みするのではなく、普通に噛みます。弱いのかもしれませんが、皮が軽く向けるので、多分餌嚙みしてます。
ラットに関しては、はじめましての場合は手を入れると甘噛みして危険がないかを確認します。少々痛いですが出血するほどで噛みつくといったことはなく、甘噛みさせて危険性がないと認識すると以降は毛づくろいで軽く歯を当てる程度で、怒ってたりしなければ噛まれないです。起こっている際に噛まれるとがっつり出血するので注意が必要です。
恐ろしいほどの愛嬌
ラットは愛嬌がすごいです。先に述べたように、近くに行くと複数いる場合は一斉に集まってきます。そしてケージに手を入れるとそれはもうベロベロと舐めます。ひどいときは手がぬれるレベルで舐めます。また、なでたり手でかまっていると御礼なのか舐めます。ことあるごとになめてきますので、用事がある場合は済ませてからにしましょう。
ラットは社会性があるため、1匹で飼育する場合は人間がふれあいをしてやらないとストレスがたまるといわれています。複数飼育の場合は仲間同士で遊んだりすることができるのでストレスはたまりにくいそうです。仲間同士で軽い喧嘩のような動きで暴れたりしているのを見るだけでもかわいいので、複数飼育も慣れてきた際にはいかがでしょうか。
飼育方法について
ここまででラットの魅力を解説しました。次は飼育方法について準備物などを順番に解説していきます。
飼育ケージ
飼育ケージについては通気性の良いものが一般的に推奨されています。通気性が悪いものの場合はラット地震の体温と汗の湿度でかなり蒸れます。そこに糞尿が合わさるとかなりのにおいとなるだけでなく、ラットの健康上もよろしくないので、通気性の良いものを推奨します。その際にあるとよいポイントがかじれる場所がなるべく少ないものです。ラットは歯が伸び続ける関係で、硬いものをかじろうとします。凹凸の多いものはそこをかじり、そのままケージが破壊されるので、なるべく凹凸が少ないものを推奨します。
私が飼育に使用しているものは三晃商会のルーミィーです。ハムスター用とされていますが、凹凸が少なくあるとしても給水ボトルや網を載せるためのでっぱり等程度のため、ほとんどかじられるものがありません。私が飼育している時点では給水ボトルがかじられることもなく、破損も起きていないので購入品においては非常にお勧めの商品です。徹底的にする場合は、実験ラット用の飼育ケージか自作ケージになってきます。
実験用ケージは餌やりや水交換が非常に容易にできるので楽ではあるのですが、ふたを開けることなくすべて完結できるのでふれあいが減ります。実験用に使用するために飼育するので事務的に対応できるよう最適化されています。爬虫類の餌として飼育するだけならこれでもいいですが、2万とかするのでおすすめはできません。高すぎ。
自作ケージの場合は少々手間がかかりますが、安価で破損のほとんど起きないものを作ることが可能です。自作ケージを今回とは関係ないヤワゲネズミの飼育に使用していますが、かめる場所が金網のみなので、今のところどこも破損していません。値段も工具等がすでにある場合は飼育ケージの半値ぐらいで作れるので、時間に余裕がある場合はいかがでしょうか。
床材
床材については広葉樹マットをおすすめします。新聞とかもありますが、木材のほうが吸水・吸湿が良く、匂いもかなり軽減してくれるので、私は広葉樹マットを推奨します。針葉樹もありますが、アレルギーが出る個体もいますので、基本は広葉樹マットでよいかと思います。私が使用しているのはマルカンのやさしい広葉樹マットで値段も安価で容量もあるので、交換頻度が高くてもそこまで懐にダメージは起きません。(30Lで900円前後です)ほかの小動物にも使用できるので、他にも飼育している方も安心ですよ。
餌
餌についてはハムスター用のフードで問題ありません。ラットは雑食性なので割と何でも食べますが私はハムスター用フードを使用しています。理由として、栄養バランスが調整されており、かじる欲求をある程度満たせる、といったところが主な理由です。1年近く使用していますが、不健康な個体や、出産数に影響は確認できていないので、問題はないと思われます。飼育数によりますが、餌は体が大きい分よく食べるので、日本ペットフードの業務用ハムスターフード(ハードタイプ)のほうが購入頻度が少なくでき、単価も下がるのでおすすめです。15kgあるので運搬大変ですが、開封すれば手なりスコップなりでがさっとすくえるので後が楽です。
ラット購入場所
ラットについては一般のペットショップに並ぶことが少なく、どちらかというと爬虫類や小動物(エキゾチックアニマル)を販売する店舗やブリーダーから購入する形になります。ファンシーラットで3000円前後/匹で売られていることが多いです。安く買いたい場合は、活ラットとして、餌販売しているものにすれば1000円ぐらいで購入できます。注意点としては餌用の場合、状態や病気を考慮しないものになっているので、急に死んだ場合などに保証等は特にありません。あくまで餌として早々に使用される想定ですので、場合によっては状態のよくないものもいます。
初めての場合はファンシーラットを購入、慣れてきたら餌用を購入といった方法も使用できます。私のほうも最初はファンシーラットとして購入し、ある程度慣れてからは活ラットを購入して飼育していますが、急死したとかは起きていません。ブリーダー側としてもあんまり状態の悪いものは、餌としてだすと購入者の蛇などに影響が出る可能性があるので避けている、あとはそういった個体は小さいうちに淘汰され残りにくいといったこともあるかと思います。
飼育環境
ラットはかなり丈夫で、飼育環境も管理はそこまで厳しく求められません。室温が20~30℃で多湿な環境下でも病気や死ぬこともなく飼育できます。高温多湿の場合は少々疲れた様子になりますが、運動量を減らして個体間で距離を取り、乗り越えるといった行動、冬の場合は集まって暖をとるといったり、個体側で調整します。ただし、幼体の場合はそういったことができないため、夏場は28℃くらいの冷房がある部屋に置くことで繁殖周辺の問題は回避できます。自然界でも世界中で繁殖している種ではあるので、基本丈夫ですがかわいそうなのである程度は環境を整えてあげましょう。
オス・メスの管理について
オス・メスを一緒にしていると相性が多少はありますが、基本繁殖行動をとります。ラットの繁殖力は非常に高く、1度の出産で10匹前後を生みます。そのため繁殖の意識がない場合はオス・メスを分けて飼育しましょう。
複数飼育の際にはメスはほかの親などの子供を含めても問題が起こりにくいですが、オスの場合は本格的な戦いになりやすいため、気hん担当での管理を推奨します。出産してそのままずっと一緒にしていれば喧嘩は起こりにくいですが、一定期間別の場所で管理するなどをした場合は喧嘩が起こりやすくなりますので、注意が必要になります。なつきやすさはオスのほうが上ですので、初めての場合はオス1匹だけというのも手段としてあります。
繁殖について
繁殖させる場合は生後2~3か月ほどで可能になります。大体一回の出産で10匹ほどを出産します。マウスなどは子食いが言われることもありますが、ラットについては途中で死んでしまった個体は食べますが、よほどストレスや餌・水不足が起きない限り子食いについては起こりにくいかと思います。実際私が飼育する中では幼体が生きている間に食べることは確認できませんでしたので、そう起こるものではないと思われます。
妊娠の確認についてはいろいろ種類が言われていますが、私が経験した中でわかりやすいと感じたのは、メスの乳頭の発達と腹部の左右への肥大がわかりやすかったです。妊娠して期間がたってくると初めに乳頭が外から見てもわかるくらいに膨らんできます。乳頭が初期より発達している場合で比較的早期に確認することができます。
次の方法が腹部の左右への肥大になります。こちらは大体2~3週間ほどで分かりやすくなってきます。大体妊娠から1か月ほどで出産しますので、ほぼ直前という形ではありますが、一番わかりやすいのではないでしょうか。胎内に幼体がいるため頭に対し腹部が異様に膨らみ、アンバランスな感じになってきます。出産1~2日前になると胎内で幼体が活動している様子が外観で判別可能になるので、出産日も大体見当をつけることができるので、そういった点の観察も必要に応じ実施してください。
オスの取り扱いですが、繁殖行動が確認できた場合は2~3日ほど放置して、別のケージに移すことを推奨します。出産後すぐ繁殖行動をとったり、幼体を踏んづけたり、メスが拒否する際の乱闘に幼体が巻き込まれそのままなくなる可能性が高まるため、どれだけ遅くとも出産までには別のケージにするほうが幼体の生存率が向上します。
飼育時における注意点・ポイント
次に先ほどの項目で説明した内容について、注意点がある項目については補足説明をさせていただきます。
飼育ケージについての注意点
飼育ケージの注意点としては、使用するケージのサイズと飼育する予定の数の広さが適切かという点です。これが少ない場合は問題にならないのですが、逆に飼育数が多すぎる場合は問題が出てきます。問題としては臭いがひどくなり、床材の交換頻度がほぼ毎日になるという問題が出てきます。経験としては450の記載があるケージは大体多くて5匹くらいが限界でそれを超えると結構臭いがひどくなり、毎日変える必要性が出てきます。4匹以下であれば特段気になることは私の場合はありませんでした。
床材
これは注意点というよりポイントになりますが、ラットは糞は割とどこでもするのですが、尿についてはある程度場所が決まっているようで、隅の決まった場所に排尿します。糞もある程度は出す場所が決まっていますが、排尿ほどは固定されにくいようです。そしてそのエリアはかなり濡れて、汚れやすいのである程度の厚みを持って敷いたほうが臭いを抑制しやすいです。
繁殖
繁殖時において一定の確率で幼体が死ぬことがありますが、死体については早々に処理を行いましょう。理由については極めてシンプルで、腐敗臭が強烈なためです。2~3cmほどのサイズでも期間がたつとかなり強烈で遠くでもわかるレベルになります。早々にトカゲ類など何でも食べるものの餌にしたり、廃棄するなどが必要です。怠ると飼育環境の悪化にもつながりますので、そこはまめに確認し、定期的に処理を行うようにしましょう。
現時点では異常が主な注意点・ポイントになります。今後出てきた場合は随時更新していきます。
魅力的なファンシーラットを育ててみよう
飼育していけばより理解が深まり、魅力を感じていくファンシーラット、飼育もほかの小動物と比較しても飼育難度が低く、初めての人でも安心して飼育できますので、ぜひ、一度お迎えしてみてはいかがでしょうか。寿命が短く、別れまでの期間が速いのが傷ですが、短いからこそしっかり愛情を注いで、ファンシーラットからも受け取りましょう。